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        耐空性改善通報(TCD)情報管理機能

TCD本文
国空機第197号 整理番号 TCD-8200C-2-2021

耐 空 性 改 善 通 報

  令和3年6月25日

      適用航空機の所有者各位

         国土交通省航空局長    和 田 浩 一 

1. 第2項の航空機又はその装備品等の安全性又は環境適合性を確保するため、第3項の整備又は改造作業等の実施が必要であると認められますので通報します。
なお、本通報による検査、修理、交換、改造等が実施されないときは、航空法第14条の3第1項に基づく整備改造命令を発出し、又は同法第134条第2項に規定された立入検査を実施のうえ、同法第14条の3第2項の規定により耐空証明の効力を停止し、若しくは有効期間を短縮し、又は同法第10条第3項(同法第10条の2第2項において準用する場合を含む。)の規定により指定した事項を変更する場合があります。
また、本通報により実施した作業については、同法第58条第2項に定めるとおり航空日誌に記載することが求められます。
2. 適用航空機
レオナルド(フィンメカニカ、アグスタ)式AW109SP、AB139、AW139及びAB412型、エアバス・ヘリコプターズ(ユーロコプター、アエロスパシアル)式AS365 N3、AS332 L2、EC225 LP、EC135及びEC635型並びにユーロコプター・ドイツ(メッサーシュミット・ベルコウ・ブローム)式MBB-BK117 C-2型:第3.1表に掲げられた部品番号(以下「P/N」という。)のグッドリッチ社製ホイスト(以下「ホイスト」という。)を装備したもの
3. 適用項目
ホイストのオーバーロード・クラッチが損傷することにより、荷物が落下し、地上の人の負傷に至る不具合を防止するため、既に実施した場合を除き、第3.1項~第3.14項に従うこと。
3.1 平成28年6月17日(耐空性改善通報TCD-8200C-2016の発効日)以降のホイストの使用回数が10サイクル又は13リフトを超えない時期までに、以前の荷重試験において、1,500ポンド(680kg)を超える負荷荷重(5回の平均値)をケーブルにかけたか、整備記録にて確認すること。確認の結果、2回以上の荷重試験で当該荷重を超える負荷荷重をかけている場合にあっては、第3.1.1項又は第3.1.2項のいずれか該当する時期までに、当該ケーブルを使用可能な良品と交換すること。なお、ケーブルの交換にあたっては、図3.1を参照すること。
 3.1.1 3回以上の荷重試験で当該荷重を超える負荷荷重をかけている場合にあっては、次回のホイスト使用時
 3.1.2 2回の荷重試験で当該荷重を超える負荷荷重をかけている場合にあっては、次回の荷重試験
第3.1表 本通報の適用を受けるグッドリッチ社製ホイストのP/N

注1)ホイストの使用回数(使用サイクル/リフト)の定義は、エアクラフト・メンテナンス・インストラクションズに掲げられている。ホイストの使用回数(使用サイクル/リフト)については、エアクラフト・メンテナンス・インストラクションズで指定されるものが本通報に適用される。


図3.1 フローチャート

3.2 平成28年6月17日(耐空性改善通報TCD-8200C-2016の発効日)以降の30日を超えない時期までに、機体の製造者(型式証明保有者)又はホイストの設計承認保有者(追加型式設計承認保有者)(以下「TCホルダー等」という。)が示す方法に従って、ホイストの初回荷重試験を実施すること。なお、平成28年6月17日(耐空性改善通報TCD-8200C-2016の発効日)以前に耐空性改善通報TCD-8200B-2015に従って初回荷重試験を実施した場合にあっては、本項による初回荷重試験を実施したものとみなす。
3.3 第3.2項による初回荷重試験実施後、TCホルダー等が指示する間隔又はホイストの使用サイクル若しくはリフトを超えない時期のうちいずれか早い時期までに、及びその後はTCホルダー等が指示する間隔又はホイストの使用サイクル若しくはリフトを超えない間隔のうちいずれか短い間隔で、TCホルダー等が示す方法に従って、ホイストの荷重試験を繰り返し実施すること。
3.4 第3.2項又は第3.3項による試験の結果、不合格となった場合にあっては、ホイストを不作動とするとともに、次回のホイスト使用時までに、第3.2表に掲げる使用可能な良品と交換すること。
第3.2表 使用可能なグッドリッチ社製ホイスト

注2)新しいP/Nのオーバーロード・クラッチを装備したホイストにあっては、S/Nの先頭に「4」が付され、再識別される。例えばS/Nが 00304であるものを改修した場合にあってはS/Nは40304となる。なお、当該改修はオーバーホール時に実施できる。
3.5 TCホルダー等の示す方法が存在せず、第3.2項又は第3.3項による試験を実施できない場合にあっては、平成28年6月17日(耐空性改善通報TCD-8200C-2016の発効日)以降の次回のホイスト使用時までに、ホイストを取外すか又は不作動とすること。
3.6 古いP/Nのオーバーロード・クラッチを装備したホイストについては、平成26年9月26日(耐空性改善通報TCD-8200A-2014の発効日)以降のホイストの使用回数が1200サイクル若しくは1600リフトを超えない時期又は第3.3表に掲げられた時期のうちいずれか早い時期までに、TCホルダー等が指示する方法に従ってオーバーロード・クラッチを新しいP/Nのものと交換する、又はホイストを取外すか若しくは不作動とすること。
第3.3表 ホイストの改修


3.7 第3.4表に掲げる時期のうちいずれか該当する時期までに、及びその後は第3.4表に掲げる間隔のうちいずれか該当する間隔で、当該ホイストを第3.2表に掲げる使用可能な良品と繰り返し交換すること。なお、交換にあたっては、第3.8項の装備要件に注意すること。なお、本項による交換を実施する代わりに、ホイストを取外すか又は不作動とし、ホイストの交換時期を延期してもよい。
第3.4表 ホイストの繰り返し交換

3.8 平成28年6月17日(耐空性改善通報TCD-8200C-2016の発効日)以降の12ヵ月を経過した日以降、P/Nが第3.1表に掲げられたホイストについては、第3.2表に掲げた使用可能な良品であって、かつ、第3.2項による荷重試験により問題ないことが確認されたものに限り、新たに機体に装備することができる。ただし、当該ホイスト装備後は、本通報による繰り返し処置を実施すること。
 注3)一時的に取外したホイストを再度同一機体に装備する場合にあっては、本項の適用は受けない。
3.9 平成28年6月17日(耐空性改善通報TCD-8200C-2016の発効日)以降の30日を超えない時期までに、飛行規程の限界事項の章を改訂し、以下の内容を反映すること。なお、以下の内容を記載したプラカードを、操縦士及びホイストを操作する者がよく見える位置に貼付することで代えてもよい。また、エアバス・ヘリコプターズ(ユーロコプター、アエロスパシアル)式AS365 N3、AS332 L2及びEC225 LP型にあっては、本通報の別添1~3のうちいずれか該当するものを飛行規程に挟み込むこととしてもよい。
プラカードの内容

3.10 平成28年6月17日(耐空性改善通報TCD-8200C-2016の発効日)以降の30日を超えない時期までに、飛行規程の限界事項の章を改訂し、第3.10.1項の内容を反映すること。なお、第3.10.1項又は第3.10.2項のうちいずれか該当する内容を記載したプラカードを、操縦士及びホイストを操作する者がよく見える位置に貼付することで代えてもよい。なお、エアバス・ヘリコプターズ(ユーロコプター、アエロスパシアル)式AS365 N3、AS332 L2及びEC225 LP型にあっては、本通報の別添4~6のうちいずれか該当するものを飛行規程に挟み込むこととしてもよい。
 3.10.1 第3.10.1.1項又は第3.10.1.2項のうちいずれか該当する内容
 3.10.1.1 600ポンド(272kg)荷重のホイストにあっては、以下の内容

3.10.1.2 500ポンド(227kg)荷重のホイストにあっては、以下の内容

 3.10.2 第3.10.2.1項又は第3.10.2.2項のうちいずれか該当する内容
 3.10.2.1 600ポンド(272kg)荷重のホイストにあっては、以下の内容

 3.10.2.2 500ポンド(227kg)荷重のホイストにあっては、以下の内容

3.11 平成28年6月17日(耐空性改善通報TCD-8200C-2016の発効日)以降の30日を超えない時期までに、飛行規程の限界事項の章を改訂し、以下の内容を反映すること。飛行規程を改訂する代わりに、本通報の写しを飛行規程の限界事項の章に挟み込むことで代えてもよい。
  最大ホイスト荷重を超えないことが明らかである場合(小柄な人や子供をつり上げる場合等)を除いて、ホイストでつり上げられる人数は、2人までである。
3.12 平成28年6月17日(耐空性改善通報TCD-8200C-2016の発効日)以降、TCホルダー等が示す方法において定める部分的なピールアウトが発生した場合にあっては、次回の飛行までに、当該ホイストを取外すか、不作動とし、又は次回のホイスト使用時までに、第3.2表に掲げる使用可能な良品と交換すること。なお、交換にあたっては、第3.8項の装備要件に注意すること。
3.13 平成28年6月17日(耐空性改善通報TCD-8200C-2016の発効日)以降、ケーブルを交換する場合にあっては、以前の荷重試験において1,500ポンド(680kg)を超える負荷荷重がかかっていないことを確認したケーブルに限り、新たにホイスト又は機体に装備することができる。
3.14 本通報による処置を他の同等な方法で実施する場合には、航空局長の承認が必要である。ただし、EASA AD 2015-0226R4に係る同等な方法としてEASAの承認を受けているSB等に従って処置を実施する場合(運用限界の変更を伴う場合を除く。)には、航空局長への届出でよい。
4. 備考
4.1 本通報は、令和3年7月9日から発効する。
4.2 本通報は、耐空性改善通報TCD-8200C-1-2020(令和2年3月25日発効)の一部を改訂するものである。改訂部分は、本通報の下線部に対応し、下線を施さない部分は非改訂部分である。従って、非改訂部分については改訂前の通報による実施時期を基準として、検査、修理、交換、改造等を実施すること。
4.3 本通報は、EASA AD 2015-0226R5による。
4.4 本通報の送付を受けた者は、参考配布を除き、令和3年7月21日までに、適用項目に関する実施状況を記載した報告書を、地方航空局先任航空機検査官又は空港事務所駐在航空機検査長に提出すること。記載要領、様式及び提出先については、航空機検査業務サーキュラーNo.3-003に従うこと。
4.5 本通報による飛行規程の改訂は、航空機安全課長又は先任航空機検査官の承認が必要である。
4.6 エアバス・ヘリコプターズ・ドイツ・アラート・サービス・ブレティンMBB-BK117 C-2-85A-038 Revision 5(2015年11月18日付け)及び同Revision 6(2016年3月17日付け)、エアバス・ヘリコプターズ・アラート・サービス・ブレティンMBB-BK117 C-2-85A-045(2015年11月18日付け)、エアバス・ヘリコプターズ・アラート・サービス・ブレティンEC135-85A-058 Revision 6(2015年11月19日付け)、同Revision 7(2016年3月17日付け)及び同Revision 8(2016年5月17日付け)、エアバス・ヘリコプターズ・アラート・サービス・ブレティンEC135-85A-064(2015年11月19日付け)、エアバス・ヘリコプターズ・アラート・サービス・ブレティンAS365-25.01.25 Revision 6(2015年11月19日付け)及び同Revision 7(2016年3月17日付け)、エアバス・ヘリコプターズ・アラート・サービス・ブレティンAS365-25.01.65(2015年11月19日付け)及び同Revision 1(2016年5月24日付け)、エアバス・ヘリコプターズ・アラート・サービス・ブレティンAS332-25.02.70 Revision 6(2015年11月19日付け)及び同Revision 7(2016年3月17日付け)、エアバス・ヘリコプターズ・アラート・サービス・ブレティンAS332-25.03.19(2015年11月19日付け)及び同Revision 1(2016年5月24日付け)、エアバス・ヘリコプターズ・アラート・サービス・ブレティンEC225-25A133 Revision 6(2015年11月19日付け)及び同Revision 7(2016年3月17日付け)、エアバス・ヘリコプターズ・アラート・サービス・ブレティンEC225-25A187(2015年11月19日付け)及び同Revision 1(2016年5月24日付け)、レオナルド・ボレティノ・テクニコ139-443(2015年11月19日付け)及び同Revision A(2016年4月21日付け)並びにレオナルド・ボレティノ・テクニコ109SP-100(2015年9月19日付け)及び同Revision A(2016年4月21日付け)は本件に関するものである。
4.7 本通報の送付を受けた者で、当該航空機を所有しているが使用者が異なり、耐空性改善通報報告書を使用者から提出する場合には、直ちに本通報を使用者に回送すること。
TCD-8200C-2-2021.pdfTCD-8200C-2-2021.pdf